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テレワーク導入とDX推進、「社員を大切にする」理念が一人ひとりのニーズに応じた働き方を実現

大阪府
フジ住宅株式会社

POINT

  • DX推進とテレワーク・デイズ参加によって、コロナ禍以前からテレワークのハード面を整備。

  • 一部の部署と障がいを持つ社員を対象にテレワークを実施、問題無く導入できることを確認。

  • テレワークの体験談や成功事例を社内共有してモチベーションアップへ。

  • テレワーク導入の目的を明確化することが、成功への第一歩。

2017年から毎年「テレワーク・デイズ」に参加。DX推進とリンクしながらテレワーク導入に最適な環境を築く

大阪府を拠点に戸建住宅・マンションの販売、土地有効活用事業やサービス付き高齢者向け住宅の供給など総合不動産企業として成長を続けるフジ住宅が、最初にテレワークを始めたのが2009年。現在のコロナ禍同様、新型インフルエンザによる世界的なパンデミック対策の一環として、介護や育児等のため「働きたくても働けない社員」を対象に、テレワークを試験的に導入しました。

システム室 システム室長 杉本洋介氏

その後2017年、「テレワーク・デイ2017」に参加。デスクワーク中心の管理部門の社員と身体に障がいを持つ社員がテレワークをトライアル実施。それから2020年まで毎年テレワーク・デイズに参加しながら、少しずつ参加人数が増えていくと共に、テレワークの本格導入に向けた社内整備が進められていったと、当時からテレワーク導入を推進してきたシステム室室長の杉本洋介氏は説明します。

杉本氏:「参加1~2年目の経験から『テレワークは業務で活用できる』と確信しました。そこでまず全社員とそのご家族を対象に、流行性の疾病を罹ってしまった場合や、妊娠中から出産後の育児、ケガなどで通勤が困難な場合などにおいて、本人からの申請によってテレワークを利用できるように就業規則を変更しました。 またハード面に関しては元来、当社では数年前からテレワークとは別に、業務の効率化を目的とした『DX(デジタルトランスフォーメーション)』を推進してきた経緯があります。

そのため、例えば、

  • 取引先工務店等を巻き込んだ、工事に係る受発注・工事完了報告・請求を一気通貫できるオンラインシステムを整備=年間9万枚の紙を削減してペーパーレス化を実現
  • 中古物件の買取査定承認手続きを社外からできるシステムを開発=設計や建築、営業等テレワークが難しいポジションに対して『モバイルワーク』できる環境を整備
  • 取引先も利用できる、クラウドデータベース上で受発注、工程管理できる仕組みを構築=年間5,000時間以上&1,000万円以上のコストカットを実現
  • マンション管理人の方全員にタブレットを支給して、自社開発したアプリを用いた業務を推進

といったシステム整備を進めてきました。障がいを持つ社員対象に『完全テレワークによる働き方』を実現するなど、テレワーク用のPCを100台用意することによって、社員一人ひとりのニーズに応じた働き方を提供できる素地は、2020年のコロナ禍以前にはすでに完成されていました」

緊急事態宣言発令で全社員が一斉テレワークへ移行。特に大きな混乱は発生せず

このように数年かけてDX推進と共に、全社員がテレワークを利用できる環境づくりを進めてきたフジ住宅でしたが、それでも当初は、遠方に住む障がいをお持ちの方や、お子さんの看病や本人の体調不良等の一時的な状況においてのみ利用するなど、ごく一部に限られていました。

2020年2月~8月までの、テレワーク申込申請数。4月の緊急事態宣言発令を受けて新規申込者が急増したことによって、常時1,000人近い社員がテレワークを導入し、その数字は2021年1月現在も維持している。

しかし2020年春、新型コロナウイルスの急速な蔓延に伴い、世の中の情勢が一変したことで、大きな変化が生まれます。2020年4月の緊急事態宣言発令を受けて、フジ住宅では全社員を対象に「完全テレワーク」もしくは「モバイルワークや出社との併用」による働き方に全面移行することに。この時期、多くの企業がテレワークをはじめて本格的に導入したと思われますが、ソフト&ハード面において様々な課題が露呈したことによって業務上、大きな影響を受けることになりました。

しかしフジ住宅の場合、テレワーク導入に伴う大きなトラブルはほとんど発生しなかったといいます。

杉本氏:「全社員約1,300人中、実際にテレワークを日常的に利用している社員は1,000人弱ですが、トラブルといえるものといえば一時的にネットワーク回線がパンクしたことと、それによって社内システムへのアクセス遅延が発生した程度。それもすぐに復旧してその後、クラウドサービスの拡張利用やチャットツールの導入検討等をすでに進めていることもあり、今のところ概ね問題なく運用できています。

これだけスムーズにテレワーク移行できた背景は、先ほど挙げたDX推進によるハード面での環境整備に加えて、2019年秋に大阪府を直撃した台風21号の時、テレワークを活用できた経験が生かされていること。そして創業以来、40年以上に渡り当社に深く根付いている‟社風“をベースに、ソフト面でもテレワークを遠慮なく社員が利用できる体制がすでにでき上がっていたこともかなり大きいと考えています」

現場社員の体験談や成功例をリアルタイムで共有することで、社員の一体感が高まった

杉本氏が特に強調した「ソフト面」に関しては、同社ならではの取り組みがいくつかあります。その代表的なものが「経営理念感想文」という制度。フジ住宅の創業理念として「人を思いやる心」があり、「人の幸せ」を願って設立された、という大切な原点があります。

毎月、全社員が書いて会長・社長に提出する経営理念感想文の一部。テレワーク導入の感想をはじめ、仕事やプライベートなど幅広いテーマを対象に社員一人ひとりの想い込められた文面が綴られており、全社員が共有することで経営理念の浸透や社員教育に貢献しているという。

杉本氏:「『お客様の期待に応えて信頼を築くためには、まず社員のためになることを実現していく』という社風があり、それは社員一人ひとりのニーズに応じた働き方ができるテレワークにも通じるものがあります。
そして社員が、毎月全社員が自由記載で日ごろ抱いている仕事や家族、プライベートに対する所感を書き提出する制度が経営理念感想文。20年以上前から継続しているもので、毎月ほぼ全社員が提出して、なおかつそのすべてに会長・社長が目を通します。
その中から抜粋して、全社員に共有することによって、社員が経営理念を実践することに大きな役割を果たしています」

特に2020年はテレワークをはじめて利用してみた感想に関する内容が増えたことによって、社員同士でテレワークの効果的な利用方法等を共有できている。

またもう一つ、テレワークをスムーズに利用できる背景にあるのは、社員からの要望に関して課長や部長、そして役員に対して一斉に提案できる制度が挙げられます。
それによって複数の上司が要望を受け止め、誰か一人でもいいと判断すれば、その要望が実現するように後押ししてくれるといいます。
そのためテレワークをはじめてトライしてみたい社員も、気兼ねなく自分の要望をいつでも発信できて、実現できるそうです。

杉本氏:「またこうした制度だけでなく、普段から上司が部下の体調や仕事ぶり、家族の事情などに配慮しているのも、当社ならではの社風です。例えば女性社員から妊娠の報告を受けた際、上司の方から妊娠中や育児中のテレワークを勧めるといったこともよくありますね」

このような社風が根底にあるからこそ、同社ではコロナ禍でのテレワーク対策として、すでにソフト&ハード両面で万全の環境対策が施されていたのです。

「何のためにテレワークを導入するのか?」目的を明確化することが、テレワーク成功の大きなカギ

山口県や神奈川県など遠方に住んでいる身体に障がいを持つ社員が完全テレワークで勤務している。

このようにフジ住宅では創業以来掲げている「社員を大切にする」理念が、長年の啓蒙活動によって深く根付いていることと、数年前から取り組んでいるDX推進や「テレワーク・デイズ」参加によるハード面の整備によって、コロナ禍での全社員一斉テレワーク導入がスムーズに進んだのです。そして、こうしたこれまでの活動が評価されたことによって、2018年に総務省主催のテレワーク先駆者百選「総務大臣賞」を、2021年には一般社団法人日本テレワーク協会が主催する「第21回テレワーク推進賞」の優秀賞を受賞しました。

現状、テレワークに関しては引き続き1,000人近い社員が利用していますが、今後さらなるブラッシュアップを図っていくそうです。

杉本氏:「特に業務上、クラウド化できるものは積極的に推進していくことによって現在『週に4日はテレワークで問題なく業務できるけど、残り1日はどうしても出社しないと難しい』という社員のニーズに応えていきたいと考えています」

最後に杉本氏に、これからテレワーク導入を検討している中小企業や個人事業主の皆さんに向けたアドバイスとして「最低限のルール作りから始める」ことの重要性について語っていただきました。

杉本氏:「特に『何のためにテレワークを導入するのか?』という目的を明確化することが、テレワーク導入の第一歩。そしてその目的の根底にあるのは『社員のため』という理念が欠かせないと思います。
それから、いざ導入する際には導入するリスクばかりを考えてしまいがちですが、それでは何も始まりません。まずは小さなことからトライしてみることが、テレワーク導入成功への近道となるはずです」

フジ住宅株式会社

大阪府
所在地 大阪府
業種 不動産業、物品賃貸業
企業規模 1000~4999名
URL https://www.fuji-jutaku.co.jp/

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