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「働きたくても働けない」優秀な人材がテレワークで活躍できる会社。地方のテレワーク啓発にも奮闘中

栃木県
IT Supportパソコン太郎株式会社

POINT

  • 「働きたくても働けない」状況下にある優秀な人材を、表舞台に呼び戻すきっかけとしてテレワークを導入。

  • 「テレワークありき」のスタイルが浸透していることで、個人的な事情を抱える社員の精神的な負担も軽減されている。

  • 小規模な企業だからこそできている部分があるのも事実。会社の成長に合わせて制度を調整する必要性も。

  • テレワークの輪が周辺企業などに広がっていくことで、自社業務の効率化はもちろん、地域経済の活性化にもつなげる。

必要不可欠な人材を確実に獲得するために。社員の事情やライフスタイルを尊重し、柔軟に働ける業務形態をデザインする

主に中小企業を対象としたマーケティングやSNS活用などに関するITサポートを提供するIT Supportパソコン太郎。2015年の起業時からテレワークを導入した業務形態を想定し、その手法をブラッシュアップしてきました。会社勤務から独立し、当初は個人事業主として業務をスタートさせた現・代表取締役の大房剛樹氏は、起業の際の人材確保の一手としてテレワークの可能性に着目。意図する人材をピンポイントで採用することに成功しています。

創業社長の大房剛樹氏(中央)と社員数5名という小回りの利く体制が、テレワークの利便性と有益性を加速させている。

大房氏とタッグを組む常務取締役の福田季代子氏は、起業当時、個人的な事情でフルタイムでは働けないという状況にありました。その苦境から脱するために、テレワークの存在が大きく役に立ったと回想します。

福田氏:「私はかつて大房が勤務していた企業に所属する同僚でしたが、両親の介護のために退職せざるを得なかったという経験がありました。介護中は外出もままならず、緊急対応への準備から直近のスケジュールすら立てづらいという状況が続き、正社員としてはもちろん、アルバイトやパートとして働くことも難しかったというのが実情でした。そんな中、起業を計画していた大房からテレワークをメインとした業務と介護を両立させられる労働環境を提案してもらい、社員としての現場復帰が叶いました」

大房氏にとっては信頼のおける貴重な人材を自社に迎え入れるための最善策として、福田氏にとっては「働きたくても働けない」状況を転換するための一手として、テレワークという業務スタイルの存在がうまく機能した一例です。

同社社員の田村智代氏は、自身の健康状態の問題からレギュラーワークを持てずにいた状況から一転。現在はSNS担当として問題なく業務に従事しています。

田村氏:「私の場合、持病に対処するための通院、治療、休息というサイクルが大きな足かせになり、毎日の出勤が伴う仕事に就くのは難しいだろうと諦めていました。働くこと自体は可能でしたが、やはりどうしても一般的な労働スタイルの中ではある種『特別扱い』を求めなくてはならなくなる。その状況に対する精神的なプレッシャーも労働を諦める一因になっていたかと思います」

IT Supportパソコン太郎の勤務体系は、社員全員が「できることを、できる時にこなす」という概念に基づいています。置かれている状況や直近のスケジュール、業務の進捗などを社員全員が細かく共有することで、フレキシブルな対応が可能になっています。そういった考え方と手法が全社的に浸透しているからこそ、田村氏を始めとした社員が気兼ねなく業務に集中できる環境が成立しているのでしょう。

田村氏:「個人的に、とても働きやすい職場に恵まれたと思っています。前提として『テレワークで行える業務はテレワークで処理する』という下地ができているので、安心感があります。何らかの理由で意欲も能力もあるのに働けない人材が、もれなく労働環境を得るというのが個人、企業双方にとっての共通の理想だと思いますので、採用活動の段階でテレワーク環境の存在を大いに活用していくのは有効なのではないでしょうか」

「いつでもどこでもミーティングができる」という発想から逆算。日々のスケジューリングをより効率的なものに

IT Supportパソコン太郎は、ITサポートという業務の特性上、取引先とのコミュニケーションにもリモート環境を積極的に活用しています。現場に出向いてのPCの設定といった直接対面業務もありますが、問い合わせ対応やコンサルティング、クライアントとのミーティングなどは臨機応変に、可能な限りリモート対応を活用しています。。電話やメールはもちろんですが、Web会議システムでの折衝やクラウドサービスでデータ共有しています。

全員が別の場所にいる状態でのオンラインミーティングの様子。社員のほか、取引先が加わることもある。

福田氏:「社内ミーティングの一例ですが、先日も、私は社内から、社員は自宅から、移動中だった社長は駐車場に車を停めてミーティングに参加、といったこともありました。場所を限定する必要がないというだけで、より柔軟性を持って効率的に各自のスケジュールを組めるというメリットがあります」

田村氏:「マーケティングのために、クライアントのSNSに投稿をアップしたりするのですが、本来、場所を選ばずできる作業ではありますので、無駄な動きを省いて最適なタイミングで業務に向かえるのはありがたいです」

会社の立ち上げ時からテレワークを業務フローに組み込み、運用していることで、全社員が違和感なくそのメリットを享受しているのというのが同社の現状のようです。テレワークに必要な設備などについては、原則として社員各自が個人所有の機材を活用。会社側は通信費を負担するということでバックアップしているそうです。2020年3月から本格化した新型コロナ禍にあって、テレワークの重要性がクローズアップされ、企業によっては新たな出資や社員教育、フローの変更に取り組むところも少なくありませんが、IT Supportパソコン太郎において大きな変化はなく、これまで培ってきたノウハウをフルに活用して業務を続けています。

今後のために取り組んでいくべきことをあえて挙げるのであれば、会社の規模拡大に伴った環境の強化、より詳細なテレワークマニュアルの設定ということになりそうです。社員数5名というコンパクトな企業だからこそ可能なことが、社員の増加、取り組む案件の拡大によって不可能になることもあり得ます。福田氏は、その部分の準備に目を向ける段階であることも認識しています。

福田氏:「現在当社のテレワークが成立しているのは、社員同士の信頼関係や、全てを把握しやすい規模感の恩恵であるとも思っています。今後社員が増えていくにあたっては、ある程度管理体制を見直す必要が出てくるでしょう。また、育児や介護、通院といったハードルをクリアして業務に参加しやすくするというだけでなく、テレワーク環境が整っていることによって無駄のない効率的な業務が可能になる、つまり、業務クオリティが向上するというビジネス的な側面も強化していかなくてはなりません。今後すぐに会社の規模が巨大になることはありませんが、今からイメージは持っておく必要があるかと思います」

社内でのテレワークの考え方をアップデートすることに加え、クライアントや外注スタッフとの意思の疎通、情報の共有も考えたいと、福田氏は言います。

福田氏:「当社がある栃木県鹿沼市周辺を見ると、古くから続く歴史ある企業が少なくありません。場合によっては、テレワークの必要性や有益性にお気づきでない方々もいらっしゃるかもしれない。そういった方々にテレワークの利点をお伝えして、ご納得していただくことも私たちの務めだと考えています。自分たちの業務が円滑に進めやすくなるということはもちろん、地域のお客様の業務がより効率的になったり、私たちのように事情があって埋もれつつあった人材が再び仕事を得られるようになれば、幅広いメリットにつながる側面もあります」

テレワーク啓蒙イベントを定期的に開催。利点を周知することが、さまざまなメリットにつながっていく

福田氏の言葉どおり、IT Supportパソコン太郎は、地元・鹿沼市を中心にテレワークのメリットを広め、普及活動をしています。これまで4度にわたり、「わくわくテレワーク」と題したイベントを開催。講演や体験会を通じて、テレワークの普及を後押ししています。

働きやすいオフィス空間造りのプロフェッショナルであるIT Supportパソコン太郎株式会社。テレワークが主流となり出社している社員は少ないが、自然とコミュニケーションが取れるようなレイアウトやミーティングブースを設置するなどの工夫がされている。

福田氏:「イベントでは、テレワークとは何なのかといった初歩的な解説から、何が得られるのか、働き方がどう変わるのか、といった利点についてまで、企業の経営側の方々、働き手の方々にお伝えするようにしています。体験会では、公園や山の中といったほとんど何の設備もない屋外でテレワークを実施し、どんな環境下でも仕事ができるということを実感していただいています」

総務省や自治体とも連携し、各種支援体制をベースにしたテレワーク導入についても提案しつつ、テレワークがコロナ禍に伴う一時的な対処にとどまらず、あらゆる企業、働き手にとって働き方改革を推進していく上での鍵になるという考え方を広めたい。IT Supportパソコン太郎の試みは、着実に成果を上げています。

田村氏:「私がこの会社の存在を知ったのは、4年前の2016年に開催された『わくわくテレワーク』に参加した時でした。当時はテレワークの概念など、ほとんど浸透していなかったと思いますし、インフラ的にもまだまだ脆弱でした。そんな環境下にあっても積極的にテレワークのスタイルを推し進めてきたことによって、当社の今があるのだと思います。幸い、テレワークのための環境は驚くべき速さで整備されていて、リモートコミュニケーションはもちろん、データの保存や各種セキュリティについても、確実に進歩し、便利かつ、簡単に活用できるようになってきています。積極的に導入する企業がさらに増えればうれしいですね」

ライフスタイルの多様化に対する対応、相次ぐ天災など不測の事態への備え、埋もれた人材の再発見。そんな多種多様な場面で選択肢のひとつとして考えられるテレワークを、実践、推進を軸に、IT Supportパソコン太郎は栃木県から新たなワークスタイルのメリットを発信し続けています。

IT Supportパソコン太郎株式会社

栃木県
所在地 栃木県
業種 サービス業
企業規模 1~99名
URL http://www.pasotaro.com

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